サバンナ シングルカスク HERRコニャックカスク Bar Lamp&SHINANOYA
2006~2017年瓶詰めにて11年熟成、カスクタイプはコニャックカスク使用。ボトリング本数は503本。 信濃屋のプライベートボトリングラムの第11弾にあたり、Bar Lampとのジョイントボトルは第3弾となる。今回のレ・ユニオン島にあるサバンナ蒸留所は1870年代から続く長い歴史を誇り、一時休止や製糖工場化などの難局を乗り越え、1992年よりラム蒸留所として復活。島内最大規模の蒸留所として他ブランドにも原酒を供給してきておりレ・ユニオンラムのメインブランドとなっている。 そのラム作りにはこだわりが詰まっており、自社のサトウキビ農園で育まれる3品種のサトウキビの過半が丁寧な手積みで収穫されているとのこと。製造工程ではトラディショナル、アグリコール、発酵2週間のグランアローム、発酵3ヶ月のハイエステル、と4タイプの原酒をつくり分け、特にグランアロームの強い味わいが1番の特徴の蒸留所となる。またフランス海外県という繋がりもあり、コニャックを始め、アルマニャックなど豊富なカスクの入手先から多様な樽を入手し、日々そのクオリティ向上を追究する作り手としても定評がある。このサバンナのボトリングは、Bar Lampオーナーバーテンダーの中山氏と信濃屋スピリッツバイヤー北梶氏がレ・ユニオン島を訪れて実現することになった(2016年9月に訪問)。これは以前から二人の間で次のボトリング候補として要望し、実現した現地直接訪問で生産者とともにサンプリングを実施した結果ともいえる。そして、ウェアハウスの中でも特別なストックから選ばれたのは蒸留所の特徴であるグランアロームを更に凌駕した、発酵3ヶ月のハイエステルタイプの原酒。当初のサンプリングで用意されたカスクサンプルで合意に至らず、時間が制限される中で、生産者が最後の1つとして提示した試験的に3ヶ月発酵、単式蒸留機で生産された、世界でも類を見ないハイエステルラムの最後の1樽とセレクト。それは酵母によって支えられるグランアロームとは異なり、みだりに破棄すれば周囲の環境に影響を与えてしまうほどに豊富な栄養を秘めているヴィナス(蒸留廃液)を加えることで、3ヶ月という異例の期間の発酵が実現した奇跡のラム原酒ともいえると言われている。また、リリースを体現する1作として三宿 BAR JULEP 山本氏の作品:焔(ホムラ)Oracleを特別に提供頂き、バックラベルに採用しているとのこと。 香りは、強烈なパイナップル香の裏から熟したベリーの甘い香り、トロピカルフルーツのフーセンガム、エナメル、革張りの家具、チーズ、イースト、発酵槽、攻撃的にも思える強烈なアロマ。味わいは口に含むと、やはりパイナップル、熟したバナナ、フルーツ紅茶、バニラ、キニーネの濃いトニックウォーター、熟成させたバルサミコ、非常に複雑。フィニッシュは非常に長く、最後まで力強いパイナップルが続き、アップルミント、タイガーバーム、ジンジャーが現れる。 是非お薦めします。