ADRIEN CAMUT 33y Brut de Fut for Calvador & Shinanoya 42.1%
アドリアン カミュ 33年 ブリュット・デ・フュー
日本市場限定にて480本ボトリング。信濃屋プライベートボトリングのカルヴァドスはこれで第18弾目となる。ボトリングコラボとして、アジア人初のフランス政府公認カルヴァドスアンバサダーを務める京都のBAR Calvadorの高山寛之氏と協力関係にあるとのこと。
アドリアン・カミュは16世紀から自家栽培・自家蒸留をしており、現在で6世代目となるカルヴァドスの名門中の名門に数えられる。ブランド名はその名声を確固たるものにしたカルヴァドスづくりの名手として知られた伝説的人物(1989年に他界)先々代のアドリアン・カミュ氏の名を冠しており、現在ではリンゴの収穫時のみ人を雇っているが、それ以外は家族経営による小規模生産を代々受け継いでいる。ここは、ウール県ブーズヴィルの近くに「ドメーヌ・ド・セマインヴィーユ」という東京ドーム約10個分45ヘクタールの自家リンゴ園を所有しており、カルヴァドス指定品種である48種類のリンゴのうち、25~30種類を自らの手で栽培している。また、AOCペイ・ドージュでは”30%以下まで洋梨をブレンドすること”が許されているが同家は洋梨を一切ブレンドせずに、リンゴを100%原料にしてカルヴァドスを生産するこだわりを貫き通している、数少ない作り手としても知名度がある。蒸留はペイ・ドージュ規格に沿って、コニャック同様のシャラント式単式蒸留機での2回蒸留。 通常であれば原酒のアルコール度数は65~70%になるところを、アドリアン・カミュでは意図的にそれよりも若干低い度数に仕上げる。これにより熟成過程で最も重要な要素となる酸化調整のための適切な環境が生み出されるという。
熟成には古樽を使用するのも特筆すべき点であり、更に味わいを円やかにするための取り組みとして、生産者の間でも実施できるところが極めて限られる定期的に熟成原酒を空気に触れさせる「エアレーション」を採用しており、最高峰の味わいに対してのこだわりが随所に見られる。
今回のアドリアン・カミュからの日本限定ボトリングについては、高山氏が直接現地生産者を訪問して、共にカスクサンプルをテイスティング。信濃屋スピリッツバイヤーの北梶氏との選定を通して厳選された1樽で、内容は1985年に蒸留された原酒をメインに、1980年蒸留と1984年蒸留がブレンドされ熟成が施されていたという特別な33年超熟成品を採用することとなった。
テイスティングコメント:香りは熟成庫の蒸れた香り、ダージリン、リンゴの焼き菓子、熟成したピノノワール、獣臭、葉巻の香り。味わいはタルトタタン、リンゴのコンポート、濃密な甘味と酸味とタンニンの素晴らしいバランス。焼きリンゴのデザートを食べているような甘苦い余韻が続く。またロックで飲んでもポテンシャルを発揮する。
(テイスティングコメントはBAR Calvador 高山寛之氏のコメントを参照)