年末に素晴らしいウイスキーを開封(ピティヴェアック)
個人的に、生涯出会った中でトップ10で、記憶に残っているシェリー樽熟成のシングルモルトです。
キングスバリー ”ケルティック・ラベル ” ピティヴェアック26年
Distilled: 1974
Bottled: 2001
Age: about 26 yo
Strength: 55.8%
Cask Type: Sherry Butt
Bottles: 514 bottling
キングスバリー社は今やボトラーズブランドを代表する存在かと思われます。もともと、スコットランド・アバディーンにて設立、1992年よりシングルモルトのボトリングを開始しており、その後ロンドンに事務所を構えてから専門的な蒸留酒を取り扱っています。今だとゴールドラベルとシルバーラベルのシリーズを主軸にカスクストレングスと加水調整のボトルをリリースしていますね。以前から、樽のセレクトからシングルカスク、ノンチルフィルターに徹底したこだわりをボトリングし続けているところは変わらず方針を貫いていることだろうと思います。今回のこのボトルは、2000年前半まで続いたキングスバリーの代名詞とも言える”ケルティック・ラベル”シリーズで、ラベルデザインのフォントにケルティック文字を使用して蒸留年数を大きくアピールした、個人的に最も好きなシリーズです。その当時は、シリーズとして、”カスクストレングス”と”リミテッドエディション”(46%の加水調整)の2タイプをリリースしており、そのカスクストレングスにこのケルティック・ラベルを採用していました。
ピティヴェアックと言えばダフタウン蒸留所の第2蒸留所として1975年に創業、その後1993年に閉鎖となり、わずか20年弱の歴史で生産を終えている薄命な蒸留所の一つとしてよく名前が挙がりますね。当時は、ダフタウンと同じ原酒をつくるべく、全く同じ形状の蒸溜器、仕込み水、熟成庫等の一部の設備は共有しながらも、仕上がった原酒は全くタイプの異なるものに仕上がったということがこの蒸留所の例え話でよく聞くかと思われます。今考えるとこの蒸留所より、ボクの方が年上になってしまったかと思うと感慨深いものです。また、ピティヴェアックはシェリー樽熟成のものの方が評価が高いボトルが多かった気がします。花と動物シリーズでもシェリー樽熟成でしたし、ね。
今となっては出会うことも困難なシングルモルトです。是非とも一度はこのウイスキーのインパクトのある味わいと儚かった存在に想いを馳せて下さい。