OB限定 アードベック ブラック
Official Limited Ardbeg ”Blaaack”
Distilled: –
Bottled: 2020
Age: –
Strength: 46%
Cask Type: new Zealand’s Pinot Noir wine cask
Bottles: ? bottling
comment: 1815年にスコットランド・アイラ島で誕生したシングルモルト”アードベッグ”。そのアイラ島では毎年5月から6月にかけて、ウイスキーの祭典「アイラ・ウイスキー・フェスティバル(Islay Festival / Feis Ile)」が開催されており、期間中は日替わりで各蒸留所の「オープン・デー」が開かれ、熱心なモルトファンが現地でしか購入できない限定製品を求めて蒸留所を訪れる。そして「オープン・デー」の最終日を飾るのがアードベッグであり、その日を通称”アードベッグ・デー”と定め、毎年ファンとこの日を祝う限定品が登場することになっている。創業200年以上の長い歴史の中で、数々の困難や閉鎖の危機を乗り越えてきたアードベッグ蒸留所は、その都度ファンによって支えられてきたと言われているが、その門戸が二度と閉じられることのないようにとの思いで2000年に発足したアードベッグファンが集う「アードベッグ コミッティー」は、現在(2020年)では世界で12万人を超えるという。そんなファンたちをイメージして、”黒い羊のように型にはまらない”個性を持ち続けるアードベッグファンを讃えてブラックが誕生することに繋がる。ちなみにこの限定品では、アードベッグでは初となるニュージーランド産ピノ ノワールの赤ワインの樽が使用されたとのこと(このワインカスクも今までのアードベックとは毛色が違うこともかけたらしい)。アイラ島とニュージーランドは人口よりも羊の頭数が非常に多い(約7倍)など多くの共通点を持ち、ニュージーランドに生息する黒い羊と黒ブドウをイメージしたアードベッグ史上初の真っ黒なボトルは、これまでの限定品とは一線を画す雰囲気を醸し出している。また、タイトルの”Blaaack”だが、英語で羊の鳴き声を”Blaa”と表現するのでそういう綴りとなったとのこと。しかし、本年(2020年)のアードベッグ・デーは、残念ながらCOVID-19パンデミックの影響により中止となったのが切ないところだが、是非とも心の中でも祝って頂けると幸いだと思われる。
Tasting comment: 香りは、ベリー系のフルーツ、杉の木、シガーの箱、スモーキーなジャムのタルト、オーク樽のタンニン、トリュフのアロマなどが魅力的に入り混じる。加水すると、ビターチェリーの濃厚な果実香や塩の香りが開き、芳しいスミレの香りへと変化する。味わいは、ベルベットのようになめらかな口当たり。塩味と甘味、アニスと煤、といった対照的なフレーバー、そしてチェリー、イチゴといった夏の果実、ダークチョコレート、ビターチェリー、アーモンドの豊かな風味が複雑に調和し、煤っぽいスモーキーな余韻が長く続く。