厚岸 ニューボーン ファウンデーションズ3 “ミズナラ” 55%
2016年に厚岸蒸留所は北海道道東、釧路と根室の中間に位置する漁師町厚岸町で創業。周囲の環境はスコットランド ・アイラ島を彷彿とさせる湿原地帯に囲まれた環境でウイスキーつくりをしているとのこと。ニューボーンは3年以上の熟成を重ねて初めて”ウイスキーとなるが、このシリーズはそのウイスキーになる前の原酒をリリースしたものにあたる。ちなみにまだボトリング設備を所有していないので、このシリーズは神戸にある酒造会社さんが請け負っている。2018年2月に第一弾のニューボーン ノンピート原酒、続けて同年8月に、厚岸のハウススタイルである「ピーテッド」がリリースされており、この第3弾に使用されている樽材は、北海道旭川で採集された貴重で良質のミズナラ樽を使用とのこと。ちなみにミズナラ材は、短期の熟成ではその風味がはっきりとは感じづらいとされており、この蒸溜所の製造責任者でありチーフブレンダーでもある立崎所長は、納得する味わいに仕上がるまで、何度も何度も、そして何日も複数のミズナラ樽原酒の調合を試行錯誤したと言われている。なかなか上手くいかず、とうとう本来なら大切にとっておきたい記念すべき蒸溜所操業初年度2016年のミズナラを思い切ってメインで使用してみて初めて納得のいくものがボトリングできたというエピソードがこのボトルには詰まっている。そして樽の選定を終え、マリッジした後しばしの後熟期間に移り、味が落ち着いたところで再び神戸で瓶詰したのち氷点下の厚岸に戻り、1か月の間瓶内で寝かせている。