Drinkable perfume “DISTILERIE De PARIS”
とても美しいジンの入荷です。
数カ月前に岐阜・郡上八幡にある辰巳蒸留所の辰巳祥平さんから”ドイツで購入したのだけど、このジンは素晴らしく美味しいジンですよ”とご紹介を受けたので是非とも仕入れたいと考えていました。
このディスティレリ・ド・パリのジンは全く新しい発想で蒸留酒と向き合っており、通常は一週間もあればできるジンの工程を生産者の二コラはあえて全ての工程を手作業で行うため生産にはだいたい3か月も費やしてつくります。
原材料なくして品質無し。 この言葉は作り手である二コラが毎日パリ・ランジス市場に通って目利きをし、フレッシュなボタニカルだけを使うことにこだわることにも思いがでています。本来、乾燥した(ドライ及びドライフリージング等)ものに比べて材料は高価になりますが、優れた品質を生み出すには欠かせないポイントと言われています。
また、フランス・パリに蒸留所があるのもユニークな所だと思われます。二コラいわく”自由な発想で伝統に縛られずに全く新しいものを生み出せる土地―それがパリ”と彼は考えており、ファッションはもちろんのこと、豊かな食文化を誇るこの街で”美しい蒸留酒”を発信したいと思ったそうです。ただ、パリは1914年以来、火事の危険性を考慮して蒸留所の設立が法律上で禁止されており、今回のディスティレリ・ド・パリの設立は二コラの粘り強い交渉で認可が下りましたが、安全上の問題から今後二度とは蒸留所は認可されないだろうと言われています。ですので、唯一無二のパリの蒸留所になるようですね。
蒸留酒のアプローチにもとても斬新で、従来のジンの製造方法より香水の蒸留法のように”ベースのニュートラルアルコールにボタニカルを溶かしこんでいく方法を採用しています。再蒸留もしないでボタニカルはマセラシオンせずに直接ポットに投入しているところは技術と時間のかかる方法ですので大変なご苦労と思います。
その後、加水にとても時間をかけるのが神秘的。二か月以上かけてゆっくりと軟水を泡だて器を使って手作業で混ぜていきます。マイクロオキシジェネレーションを行う工程で手作業にこだわるところはもう参った!としかいいようがないです。
これだけの技術と時間をかけた蒸留酒。是非とも一度はお試しいただけると幸いです。