The GAME 6th その貴重な原酒に会える瞬間
信濃屋の人気シリーズ”The GAME”もとうとう第六弾となりました。
Bottle Data
Ichiro’s Malt ”the GAME 6th” HANYU [1988-2014] for SHINANOYA PRIVATE BOTTLING 10th ANNIVERSARY Cask Tape : H/H 51.9%
2007年から「日本のウィスキーマーケットの質の高さや情熱を文化とともに世界へ発信」「高品質な商品と生産者の情熱を日本のマーケットにお届けする」というテーマを形にするべく、信濃屋からプライベートボトリングが発足しました。 最初は、フラッグシップとなるシリーズ ”チェス”のファーストリリースである”ラフロイグ1996ナイト”から始まり今や150本以上のボトルをウイスキー愛好家にご提案していただきました。
そして、2017年にてとうとう10周年という節目となった今、信濃屋から今年10樽のシングルカスクを1年間かけてご紹介していくというアニバーサリーボトリングイベントを催すとのことです。
そのうちの第一弾がこの”The GAME 6th”となります。
失われた蒸留所である羽生。この蒸留所の瓶詰めがコンセプトのGAMEシリーズですが、今回は最も長期熟成のタイプが瓶詰されました。日本において今や世界の潮流となるクラフトディスティラリーの先人であり、最も入手しづらい原酒である肥土伊知郎氏率いるベンチャーウィスキー・イチローズモルトとSHINANOYAとの夢のジョイントボトリングであります。
これまでの5本のリリースも大人気でしたが、今回はさらに驚きの1988ヴィンテージ。ちょうど2016年2月の秩父ウィスキー祭ににて名スピリッツバイヤー北梶氏のセミナーでその存在が明らかにされていましたね。
特に1988ヴィンテージというとあのイチローズモルト”カードシリーズ”でも評価の高い年代です。 他ヴィンテージとは一線を画す、このヴィンテージならではのキャラクターであるピート・ヨード・スモークをともなう魅惑の味わいは飲む者を魅了してやまないかと思います。
また、今回のボトリングのラベルには、本シリーズの趣向を踏襲し、前作5thの「宇宙パズル」の余韻と新たな日本のGAMEが隠されているとのことです。是非ラベルも興味を持って拝見してほしいものです。
今やイチローズモルトの人気が世界的なものとなる中、閉鎖蒸留所・羽生から受け継がれた貴重なストックはとても大切な存在として扱われています。故にプライベートボトリングでは二度と目にすることは出来ないであろう貴重な存在かと思います。このシリーズでも最後となる羽生原酒は、創業時より親交を深めてパートナーとして共に歩んできた結果として特別に提供された1樽かと思います。とても感慨深いですね。
ちなみに輸入元のテイスティングコメントは・・・
—Tasting Note —
【香り】麻縄、燻製チップ、メンソールの煙草、地下室、樟脳、仄かに衛生用品。徐々に奥から煮林檎やバナナ、黄桃、エステリーな香り。
【味わい】口に含むと、土っぽいピート、スモーク、オイリー、ドライアプリコット、イチジク、プルーン、べっこう飴、薬草、シガーの葉、シナモンやカルダモンのスパイス。非常に複雑。
【フィニッシュ】フィニッシュは、長期熟成カルヴァドス、乾燥茶葉、オークのスパイスと心地良いウッディネス。
無くなりつつある原酒に触れ合う数少ないボトルかと思います。是非とも一度はお試しいただけると幸いです。