
ジボアン 2005 For バードラス 20周年アニバーサリーボトル
Cognac GIBOIN Borderies 2005 pour BAR DORAS 20Ème Anniversaire
Distilled: 2005
Bottled: 2024
Age: about 19 yo
Strength: 61.5%
Cask Type: French Oak
Bottles: 240 bottling
Comment: ジボアンはコニャック地方6つの地区の中で1番小さなボルドリ地区の造り手で、主に大手メーカーであるクルボアジェと長年の契し原酒を供給していることが有名かと思われる。ボルドリ地区は粘土質土壌によりブドウに水分が多く行き渡り、グランド・シャンパーニュ地区のよう水捌けの良い石灰質土壌と表情が真逆のコニャックが出来上がると言われており、またコニャック地方6つの地区で1番日照量が多いとも云われている。大手メーカーでもマーテルやカミュがボルドリ地区の原酒をメインにブレンドしてコニャックを造り、日本でも多く輸入しているが、ボルドリ地区でこのジボアンのように自家栽培から瓶詰まで一貫して自家で行うプロプリエテールのコニャックは殆ど輸入されていないことが多い。ジボアンは、蒸留後に新樽に入れる期間は12ヶ月までと短く、その後通常は幾つかの古樽に(最大7樽)移し替えて熟成をさせるとのこと。樽に移し替える際にボトリングする最終地点の度数を考え、新樽に入れる際や移し替えの段階で加水をするかしないかを判断し、加水にしても熟成で落ちる度数から加水量も細かく分けている。また、新樽で熟成する期間を短くすることによって、樽のタンニンを付け過ぎずブドウ本来のピュアな味わいを全面に出すスタイルも特徴的と思われる。今回のこのボトルは東京・浅草にあるバードラス20周年アニバーサリーボトルにあたり、この2005年ヴィンテージは蒸留原酒が飛び抜けて良かったため例外的に先代フランソワ・ジボアン氏が新樽を使わず、約10年使用した古樽に加水をせず原酒を入れてからボトリングまで、さらに例外的に樽を入れ替えず、ボトリングまで1樽のみで熟成されたカスクストレングスとなる希少品にあたる。
Tasting Comment:香りはサトウキビが原材料のラムのよう、ダークチョコレートやドライアプリコット、プラム、オレンジ、リコリスに対して、粘土質土壌で育った水分を多く含んだブドウから水々しい花の香りが芯にあり掛け合わされているかのよう。味わいは、パワフルなアルコール度数61.5%を感じさせない優しくて力持ちの男らしい骨太な力強いボディと綺麗な焦げ感は閉鎖蒸留所ラム「カロニ」を彷彿させ、余韻には最後にブドウがしっかりと存在感を示しドライレーズンが口中に残る(DORAS中森氏のコメントを参照)。