そのボトルには・・・・
ウイスキーというのは熟成を経て味わいを”つくりあげる”ところがおそらく最大の魅力ではないかと個人的には思います。 時間を感じる味わい、そのものに人は得るものと失うものを感じ取り、思いを巡らせることができる気がします。 今回は個人的にそんな気持ちを勝手に詰めた(思い込んだ)ボトルを10周年(通算15周年)という節目に何本か開封させていただきました。
よければ一本ずつちょっとしたお話を書いてご紹介をしたいと思います。
Malt House Isley ”battleship” Spring Bank 10Yeays(1998〜2008)
このボトルは東京・練馬区にあるウイスキー・バーの名店モルトハウス・アイラのプライベートボトルの一本です。当時(2008年)、そのお店に勤めていたボクの後輩にあたる彼が「今回のボトリングは年数の若い割にすごくいいから購入した方がいいですよ」と連絡をくれたのがきっかけで出会ったボトルでした。
思えば彼と出会ったのは今から14年近く前に、自身のお店を営み始めてまもなくに共通の知人から紹介されたのがきっかけでした。当時の彼はウイスキーをまったくと言っていいほどに飲めないのにも関わらず見栄を張るように、ただただ得体のしれないその液体を飲んでいました。
今や、ウイスキーは互いに重要なファクターとなっているのが何か不思議な気持ちにさせます。
このボトルを見ると当時の彼のことを思い出すと同時に、現在の成長した彼の歩んできた道程のことを思案します。
人はそれぞれに生きていき何かに巡り合うものと思いますが、同じ時代に生き同じ時間を少しでも共有したということはかけがえのない出会いとボクは思います。 今回開封させていただいたこのスプリングバンクも自分にとってまさしくかけがえのないボトルの一本であることは確かなことだと思いました。
できれば皆様にもこのウイスキーを是非一度はご賞味いただけると幸いです。