ハイランダーイン ロングモーン23年 51.7%
1992〜2015年瓶詰め、アメリカンオークシェリーホグスヘッド使用。スペイサイド・クレイゲラキ村の“ハイランダー・イン”からの第12弾目となるプライベートボトルとなる。今回はダイレクターとして手腕を振るい、2015年にオーナーとして復帰した皆川達也氏が中心となりテイスティングを重ね、選定された一樽を使用。 ラベルデザインは皆川氏と親交の深いオランダのアーティスト、ハンス・ディレッセ氏(Hans Dillesse)が担当。美しいブルースカイとハイランダー・インの白壁、その前に駐車されている皆川氏の黄色いキャンピングカーが、見事なタッチで描かれボトルを引き立てている。また、裏ラベルのテイスティング・ノートも、氏の親友であり尊敬されるウイスキー作家・デイヴ・ブルーム氏が書かれている。 【香り】リッチで計り知れない、それと共に見事に熟成したウイスキーの香り。よく磨かれた靴のような微かな香りに始まり、それはまるで良質の皮靴が磨かれていくような様。そして微量に香りを放つローソク、それに続きトフィー、後半には晩秋に採れるベリー。杉の香りと一緒に遠くから漂う決して下品ではない農場の香り。しばらくすると鉛筆を削ったような香り。加水をすると更なるカラメル香の要素が湧き出てくる。フルーツシュガー、香木、最高級家具職人の工房を連想させる。【味わい】ゆったりと柔らかく、しかしかなり温かい。そしてセミドライフルーツを舌の中央で感じ取ることができる。タンニンは少なく、少し苦いコーヒー、あるいはココアのように変化していく。そして加水によって恩恵がもたらされ、更なるフルーツ、ハチミツ、なにも施されていない自然な状態の木の床。それを舌の中央に引き寄せ、ゆっくりと噛みしめることができる。 微かにチョコカスタード、熟した果実、そして最後を締めくくるしっかりとした木のニュアンス。 フィニッシュ:柔らかく、黒糖やアンジェリカの根、さらにアニスやリコリスへと変化していく。